21世紀型の農業として、様々な国で有機栽培で育てた野菜を、ネットで紹介して販売するというのが増えている気がする。
この間見た世界中の農業を紹介する番組で、女性が数人の仲間と有機栽培を行い、会員登録した顧客がインターネットで商品を注文。
そしてオーナーが自転車をつかって直接新鮮な野菜を届ける、という事業を行っているのを見た。
個人的な興味がそれまであまり農業に向いていなかったので、そんな事業がある事にちょっと驚いた。
しかも顧客がそこまで多く無いのにも関わらずきちんと利益をあげて、有害な肥料を用いないように試行錯誤をしながら農業の研究に人生を捧げる生産者の姿に心を打たれた。
社会の発展で衰退して行くと思われた産業が、こういった様にインターネットとともに発展する可能性もこの先もしかしたらあリ得るのかな~とぼんやり考えた。
人気の秘密はいくつかあるようで、一番は安心な農作物を選んで買いたいという需要。
日本だけでなく、他の国でも生産地を気にする声は高まっているようだ。
もう一つは、「スタートアップ」という点。
スタートアップとはアメリカやヨーロッパで浸透している言葉で、ざっくり言うと起業したての会社を差す言葉。
インターネットを駆使して新しい業務を提案している、いわばベンチャー企業。
このスタートアップのブームのようなものが、新しい業務を行う会社へ興味を持つ顧客を獲得している。
そして私が住むドイツでも、とあるスタートアップが注目を集めている。
この会社も農作物等を扱っているのだが、それぞれの生産者の顔が分かるというビジネスが大きな反響を呼んでいる。
信頼できる生産者と製品をお届けするBonativo
この会社は2014年の中頃に企業。
スタートアップの会社の中でも最初は下から2番目の位置にランクインしていた。
しかしこの会社の代表は、直ぐに会社が大きくなる可能性があると確信していた。
するとその後、スタートアップ企業の中で最も有名なRocket Internetという会社が起業に協力を申し出た。
そしてあれよあれよという間に現在は従業員を12人雇い、事務所と商品を保管する大きな倉庫を所有し、推定2300万ユーロの資本を持つ会社と査定される様になるまで成長。
しかも僅かな顧客を扱う会社なのにも関わらずである。
その業務内容は
Bonativoは良い商品を購入したいというお客様の声に答えるのがモットー。
とこのオーナーは語る。
自身のwebサイト上で、この製品が何処の地域から、どんな農家の人から生産されているのかを、わかりやすく読んで確認する事ができる様になっている。
野菜や果物のみならず、自家製のパンや蜂蜜、マーマレード、肉からジュース、コーヒー、カカオまで購入出来る。勿論一個から購入可能である。
ドイツではネットで食品を購入する傾向が高まっており、さらに購買力の高いクライアントは、価値の高い商品を欲している。
だからその商品の運送費用を払う価値もきちんと理解しているそうだ。
誰も投資してくれなかった10年前
この会社を起業しようと志したきっかけは、オーナーの母親にあるそうだ。
幼いころ、オーナーの母親は特定の地域の製品を好んで購入していた。
その記憶が頭にあり、現在の会社への構想となったのだ。
10年前に起業した際、一切だれも投資しようとする者は居なかった。
その後彼が別の会社を立てたり、後に投資をしてくれるRocket Internetで数年働いた末、状況は一変。
時代が彼のアイディアに合致して、結果2300万ユーロの価値がある会社になった。
より良い商品を、きちんとお金を出して購入する顧客がドイツでは増えている。
なんとまあ素晴らしい国だと思った。
お金があるのであれば、自分が口にするものもこだわりたいものだ。
この急激な躍進を遂げた企業について、海外の人はどのような意見を持っているか気になるところ。
一部コメントを抜粋して紹介したいと思う。
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輝かしい話だ。
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少しずつ少しずつ中世に環境が近づいているみたいだね。
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きっと美味しいんだろうな。
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配送料に納得して支払いをする。これこそが投資だと思う。
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地方から商品を購入できるという一種の農協みたいな話だな。
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でもまあ普通こういった協会は100人以上の従業員を雇っているから、この規模がいかにもスタートアップらしい。
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もはやコアな商売ではないのは明らかだ。
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ここでの目的は恐らく手数料や投資金を集めるような業務になるはずだ。
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これは地域的には非常にいい商いだと思うよ。グット。
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この新しいインターネットバブルで一生懸命取り組もう。
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大きなテクニックを持っている企業はこういうのをコピーするのは難しいかもね。
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彼らは市場に少ない顧客がいることでベストな活動を見いだす会社かな。
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ロケットは今オンライン販売をミャンマーで行っているよ。それはホントに想像出来ない話。
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マイナスの利子は長期的な市場の活動に圧力を与えている。でもこの会社は良い影響を受けているようだ。
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スーパーマーケットよりコストが高いではないか?
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新しいトレンドだな。
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新しいアイディアと共に仕事を作るとは素晴らしい話だよね。
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この間リンゴを買ったよ。
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これらの企業が株式市場で数十億を稼ぐ事は到底あり得ない話。
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ドイツの経済状況にも救われているんじゃないか?
新しいアイディアで活性化
新しいアイディアと共に躍進しているスタートアップ。
日本でも生産地などにこだわって購入したいという声は少なからずある。
同じ様に成功する会社も出て来るのではないだろうか?(もしかして既に居たりして)
インターネットと昔からある産業を結びつけて、新しい商売を生み出す事で、日本がまた活性化したら良いなと思った。
特に中小企業の技術力が高い国、日本だからこそ、この記事の例以外にも新しい商いを産む可能性はありそうだ。
【参考URL】http://www.spiegel.de/wirtschaft/service/samwers-investieren-in-berliner-lebensmittellieferdienst-a-1019406.html
昔、URLコードかなにかを読み取れば、生産者の顔や他の詳細が見れる、っていうのが導入されたときが懐かしいな~。野菜と牛乳で見てみたことあるよ。こういう”食の安心”についての画期的なビジネスは、利用する人はこれから増えてくると思うよ。
これは新しい!
・・・のか・・・?
ずいぶん以前からあるような・・・
一応、日本の野菜も生産者の顔や生産までの流れはQRコードそれ以前は番号などでもわかるようになってるよね。
は?トレーサビリティは別に新しくないよね?
ローカル色の強いアグリカルチュアの発展型なだけだね。
日本でも随分前からやってるような、あれとは違うのん?
日本には10年以上前から複数あるし、成功もしてるよ
モスバーガーも確か生産者の顔写真が店内に貼ってあったなぁ
今は行かないから知らんけど
あちこちで見られるよ
確実に見られるのは郊外の生産者直売所とか、こんなのは北から南は沖縄にまである。
ただ、安定した出荷ができないから量販店ではたまにしか見られないだろうね。
でもこれはスレの生産者も同じ事だよ。
トレーサビリティとか農家の顔が分かるのは、日本の企業で一般的だが
ここで言ってる会社は、農協の部分のベンチャーかな?
大体農家は、農協に、良くて直売所に持ち込んだりするところを
ネットで直接、農家と消費者を仲介するサイトって事だよね?
農業生産者が単独で、ネット注文とか受付てるというのは日本では多いが
誰でもそれができる訳じゃないし(高齢者とか)、
ネットの技術部分を受け持ってくれる、ハブになってるサイトってあるのかな?
ネット普及以前からお取り寄せってのがあってだな
うちのばあちゃんや母親も米、もも、ぶどう、なし、みかん、薩摩芋、酒、味噌、そばなどなど生産者に直接電話して箱買いしてたわ
旨いもんの情報を仕入れるのはやっぱり口コミ、あと物産展や旅行先
クール便も80年代からあったからな
つまり日本的な6次産業運営は世界でも金になるってことだろ
漫画「銀の匙」であったけど、「生産者が若くて可愛い女の子で写真付き」
なら飛ぶように売れるだろうなあ。
誰かマジでやらんかなw
~さんの完熟トマトとか生産者個人の顔写真がついた野菜とか結構出回ってるよね。
ちょっと高いけど食べて見ると確かに美味しいものが多い。