「お隣の家の晩ごはんは何?」そんなことよりずっと気になるのは
「よそのおうちの子どもの小遣いはいくら?」ではありませんか?
ましてやそれが海の向こうのヨーロッパならなおさら気になりませんか?
子供の自立心や独立を促す教育方針の地域だからこそ、実際に子供に与える小遣いの金額はどのくらいなのでしょうか。
イギリスを中心に、ヨーロッパ各国の子どもたちのお小遣い金額を実際に見ていきたいと思います。
イタリア人の親が一番甘い!?
主要なヨーロッパ諸国の中で一番高額なお小遣いを親から毎週もらっているのは、全年齢層を通してイタリア人の子どもです。
「マンマ(お母さん)」と甘えれば、「バンビーノちゃん(赤ちゃん)!」と言われ弾んだ金額の小遣いを貰えるのかも!?
下記の表は平均小遣い金額の多い国ランキングです。
イタリアが1位、フランス2位、スペイン3位、オーストリア4位、ベルギーとドイツ5位、イギリス7位、トルコ8位、ポーランド9位、ルーマニア10位、オランダ11位。
経済状況がよくない国の親たちの方が子供に多めの小遣いを与えている点がなんともはや不思議というか奇妙です。
ラテン系の国がトップ3を占めたということは、もしかしたら家のローンや自分たちの老後のこと、子どもの大学進学といった遠い将来まであまり考えない親たちが、目の前のあどけない我が子をみて
「この子の欲しいものを買わせてあげたい!」
と無理して小遣いを多く与えているのかもしれません。
つまり国や各家庭の経済状況と、子供たちの小遣い金額は必ずしも比例しないということです。
ヨーロッパ各国の具体的な小遣い金額比較
では、国別の実際の平均小遣い金額を比べてみましょう。
年齢別 平均小遣い金額/週(単位:ユーロ)
国によって物価や大人の平均収入金額もまったく異なるので、子どもの小遣い金額の数字だけをみて一概に
「あの国の子どもはたったこれだけしかもらっていない」
「あの国の子どもの小遣いは多い」
ということを断定はできないでしょう。
しかしこの表からは大まかなイメージは伝わってくるのではないでしょうか。
オーストリア人の親は15歳以上の子どもたちにとても気前が良く、平均€35.25(約4,837円)のお小遣いを毎週与えています。質実剛健のイメージがあるだけに、ちょっと意外かもしれません。
イギリス人の親は多くの西ヨーロッパ諸国の親たちより、小遣い金額をケチっているという統計が出ています。86%もの親が一週間に一度だけ、わずかなポケットマネーを子どもたちに渡すだけだといいます。
イギリスの子どもたちのお小遣い事情
イギリスでは5歳から10歳児へは平均4.8ポンド(約863円)/週、15歳以上の子どもには平均9.6ポンド(約1725円)/週となっています。
ヨーロッパ諸国で、このイギリスの子どもたちより下回った額の小遣いを貰っているのはトルコ、ポーランド、ルーマニア、オランダ、チェコといったたった五か国の子どもたちだけです。
とはいうものの、そのイギリスでは1980年代後半以降親の収入金額が上がるのと共に、子供たちの小遣い金額も大きく上回っているという統計が出ています。
8歳から15歳の子どもの平均小遣い金額は6.35ポンド(約1,142円)(/週)ですが、これは1987年時の平均小遣い金額より462%も増えています。
イギリス国内の都市別で見てみた場合
- ロンドンの子どもの平均小遣い金額は8.26ポンド(約1,485円)/週
- スコットランドでは6.73ポンド(約1,210円)/週
- ウェールズでは5.54ポンド(約996円)/週
どこの国でも言えることなのかもしれませんが、都会の子どもたちの方が田舎の子どもたちより小遣いを多く貰っています。
そしてイギリスの子どもの65%が、小遣いを貰う代わりに家事の手伝いをしているという統計結果も出ています。
洗い物やベッドメイキングがもっともポピュラーなお手伝いで、男の子よりも女の子の方がより多く家の仕事を手伝ってお小遣いを受け取っています。
64%の親が実際に子供はお金の真の価値を分かっていると信じています。
実際に88%もの子供が、大人は仕事をしてお金を稼いで得ているということを理解している、という結果もあります。
小遣いのメリットとは
オランダ発祥の金融機関INGグループの調べによると、
実際に子どもにとってのお小遣いは、お金を管理するいいエクササイズとなっている。
小遣いを貰っていたことのある人は、自分で稼ぐようになってから計画的に収入をバランスよく様々な支払にまわし、うまく自分のお金の使い方をコントロールできる割合が高い。
ということです。
また幼いうちから小遣いを貰っていた半数以上の人が単にお金のやりくりが上手なだけでなく、定期的に貯金し長期的財務計画のスキルを自然と身に付けているという結果が出ています。
同グループのシニア・エコノミストのイアン・ブライト氏曰く、
「子ども時代に小遣いを貰っていた大人というのは、財政を管理する能力に長けるという可能性をより大きく持つということが間違いありません。
親元を離れる前に欲しいもの、必要なものの買い物を自分で決めてやりくりすることを学ぶのはのちのち大きなプラスになるのです。」
ちなみにヨーロッパ全体の3分の1の親が、子供に定期的な小遣いを与えていますが、トルコでは95%もの親が、逆にオランダではたった67%の親だけが小遣い制度を持たせています。
つまりトルコ人の親たちはルールやシステムとして子どもに決まった金額を渡しているけれども、オランダでは恐らく家事手伝いの見返りとしてお駄賃を渡している、もしくはお金を必要としたときにのみいくらか渡している、ということです。
トルコをはじめとしたヨーロッパ各国の、子どもに小遣いを渡している12,000人の親たちにインタビューをとったところ、小遣いを受け取る習慣を持つ子供たちはあることを学べるであろうと信じています。
それは前述した専門家の意見もあるように、大人になってから必要とされる財務計画のスキルを磨く訓練をされ、借金を抱え込む人生を歩まずに済むであろうと思っているので、小遣いを与えるようにしている、ということです。
確かに定期的小遣い制があまりなされていないイギリスでは実際に、個人ローンの借金率が上がっているという統計が出ており、子ども時代にお金(小遣い)をどうしていたかということがもしかして影響しているのかもしれません。
小遣いの習慣から本当にファイナンスを学べるの?
小遣いは本当に子どもがファイナンスやお金の価値を学ぶいいシステムなのでしょうか。
小遣いを貰っていた人が将来自立した後、お金の管理をばっちりできるのでしょうか。
小遣いの金額によって子どもへの教育は影響するのでしょうか。
ちょっと周りの知り合いを思い浮かべてみました。
大学時代、毎月40万円の小遣いを貰っていたというトルコ元大使の息子は
「欲しいものは何でもボンボン買っていたから今では逆に質素な生活で満足している。」と言い、
100万円の小遣いを貰っていたアメリカ人俳優の息子は
「今更生活のレベルは下げられない。」と言いました。
複数のアルバイトを掛け持ちしながら必死に通学していたポーランド人は、若い時の反動なのか今やカードローンで買い物をしまくり、
奨学金で進学したチェコ移民の息子(生まれ育ちはイギリス)はお金に苦労して育ち、一流大学を出たもののなぜか今ニート。
よって小遣いをもらっていたかいなかったか、金額はどのくらいだったかということは関係なく、大人になってお金にどのように接していくのかというのは結局のところ本人次第なのではないでしょうか。
ネット上ではイギリス人をはじめ、海外の人々がこの「お小遣い」について様々な意見を述べています。
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私たち夫婦は子どもに週50ポンド(約9,000円)を与えている。この記事に出ている金額は低すぎると思う。(イギリス)
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僕は子どもの頃、家事をしないと小遣いを貰えなかった。ちゃんとしっかりやればそれに見合った報酬を貰い、家事を手伝わなかったり何もしなければおだちんはゼロだった。
これは非常にいい人生の教訓だった。だから今では自分の子どもにも家の仕事を手伝わせてお金を渡す、というやり方をとっているよ。(イギリス)
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私もお小遣いは最低限しかもらえなかったわ。でも家事や買い物の手伝いをするとお小遣いとは別にお駄賃をもらえたの。だから頑張ったわよ。
私も「働いてお金を貰う」というルールから確実に何かを学べてよかったと思っているわ。(イギリス)
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我が家でもそうしているわ。「ノージョブ・ノーマネー」は当たり前よ、と子どもたちに接しているわよ(イギリス)
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年が若いうちに外にバイトに出れば、お金の価値を本当に学べるわよ。
親が甘やかしてほいほいお金を与えるのではなく、自分の労働でお金を得るということを分からせるためにさっさとバイトさせることが大切ね。(イギリス)
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この記事はジョーク?親に子どもに小遣いとして渡すような余分なお金を持っていなければ(親が貧乏ならば)、子供は大人になってから計画的にお金を使えないっていう意味なのかしら。
私は親からお小遣いを貰ったことは一度もなかった。でもね、私は決してお金のやりくりが下手では全くないわよ。(イギリス)
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イギリスでは6歳以下の子どもの平均小遣い金額が2.5ポンド?え?6歳以下の児童が一人で買い物に出かけている姿なんて見たことないんだけど。
私には7歳の息子がいて、毎月35ポンドを彼の名前で貯金をしているわ。それ以外には毎週末に甘いお菓子を買ってあげているわね。そして三か月おきにおもちゃ屋に連れて行ってあげているわ。
欲しいおもちゃを買ってあげようとしているんだけど、息子は全然興味がなく毎回とっとと家に帰りたがるの。家でiPad を触っているのが一番楽しいみたい。
甘いお菓子とiPad だけが嬉しいみたいで、お金はまったくいらないみたいね。(イギリス)
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イギリスのミドルクラスの階級の子どもたちは大勢働いてお金を得ているよ。(イギリス)
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僕は12歳の時から毎週末になると様々な工場や店で働いていたよ。でも今ではEU諸国では16歳以下の子どもの就業は法律で禁止されているはずだ。
よって今時のティーンエイジャーは週末になると何かトラブルを起こすだけの存在になったんだな。(イタリア)
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実際にお小遣いを貰わなくても、お金の管理のことはアンドロイドを触れば簡単に学べるわよ。そういうアプリはいくらでもあるんだから。(チェコ)
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悲惨な経済状態のイタリア、スペイン、フランスの親たちは子どもたちに高額小遣いを渡しているのか。ほお…(イギリス)
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気弱な親と甘やかされた子供たちが多いっていう話ね(アメリカ)
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僕は月に1ポンド貰うだけだった。街に出て映画をみてショッピングをして食事をする、というと5ポンド(約900円)貰えた。それで十分だったな。(イギリス)
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週にたった数ポンドだけの小遣い?10、20ポンド(約1,800円、3,600円)は必要だろうに。(イギリス)
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まったくもって週に数ポンドだけなんてありえない。現代の話とは思えない。(イギリス)
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私たち夫婦は12歳と10歳の子どもたちそれぞれに200ポンド(約36,000円)あげているわよ。多すぎなのかしら?(イギリス)
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僕はすでに大人だけど、今に至るまで小遣いなんてもらったことがないな。(イギリス)
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平均小遣い金額なんてどうやって分かったのかしら?(イギリス)
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親たちは子供が反抗しないようにお金を与えて大人しくさせているんだ。(イギリス)
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幼いうちから努力もしないでお金を得ることを知ってしまうのは良くないと思う。(イギリス)
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私の以前のパートナーは、彼の11歳の息子に毎週10ポンド(約1,800円)あげていたわ。何も手伝いをしていないのに。
その上新発売のコンピューターゲームもほいほい買ってあげて、彼が息子の部屋も掃除したり身の周りの世話を全てやっていたわ。息子には何もさせなかった。
こんな育て方で、果たして子どもがお金の価値を学べるのかと疑問に思ったものだったわね。(イギリス)
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13歳以上の子どもは新聞配達やベビーシッターをやって小遣いを稼ぐものだ。13歳以下は家の手伝いをしてお金を得るものだ。(ドイツ)
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私は子どもたちに小遣いは渡していないわ。必要な時だけその分のお金をあげるようにはしているけど。お金を簡単に手に入るものだとは誤解しないよう、注意しているわよ。(イギリス)
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私たちには8歳になる美しい青い目をした息子がいるの。お小遣いは特にあげていないけど、素敵な心を持った息子が欲しがるものは全て何でも与えているわよ。(イギリス)
【参考URL】http://www.thisismoney.co.uk/money/saving/article-2749431/Pocket-money-key-strong-financial-skills-later-life.html
http://www.market-truth.com/italian-parents-give-pocket-money-kids/
http://www.iamexpat.nl/read-and-discuss/expat-page/news/less-cash-for-dutch-kids-in-pocket-money-index
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2807324/Pocket-money-rise-outstrips-wages-Children-s-payouts-462-27-years-1-13-week-6-35.html
子供時代の環境って人格形成にめっちゃ影響あると思うけど、それがすべてじゃないもんな~。筆者も言ってるけど結局人それぞれなんだよね。お手伝いしたらお小遣いがもらえるとか、そういう”働いた分だけもらえる制度”を知っておくのは賛成かな。
欲しいものを言えばだいたい買い与えてるから小遣いはいらないでしょう
意外と少ないと思ったら週かよ!
ルクセンブルグすげえなあ。極端すぎる。
こういう結果って社会システムに関係しているのかな。
額だけじゃなんとも言えん。
小遣いから全てを捻出させる親もいれば小遣いとは別にいろいろ買い与えている親もいるだろう。
日本も昔と違って携帯とか与えたりしてる分、子にかさむ費用は増えてそう
自分の子供の頃は月6000円もらってたけど、それでも周りの子供より多いって言われてた
ただ周りの子供は映画とか何かあったら別にもらえてたから一緒な気がしたが・・・
週!?私んちは定期的なお小遣いとかはもらえなかったなー
欲しいものは一緒に買い物しに行くときにその都度交渉
あと友達と遊びに行くときだけもらって何にいくら使ったか提出、んで残ったのは貰えた。
物価とかも違うから何とも言えんな・・・
日本は、お年玉で跳ね上がる・・・
お駄賃制はダメ、がめつい子供になって嫌になる。
※手抜きをしたり・対価を要求するようになる。
それに会計がめんどくさい、気が付いたら与えすぎだった。