今どきはベーシックな葬儀でも、3,600ポンドかかり、これは100年前の相場の二倍だ。
葬儀にかかる費用は急騰しており、利益を欲する葬式業界と、金に飢えた地元機関によってますます拍車がかけられている。彼らは、人生における2つの不動の事実-生と死-に付きまとう、人々の恐怖感を利用しているのだ。
そう書いているのは、英国メール紙。
お葬式の費用が世界一高いと言われてきた日本でも、近年は家族葬や直葬など、いわゆる『地味葬』が広まってきています。これまでの調査では、平均的な葬儀の費用はおよそ180万円と報告されているのです!
そんな日本から見れば、イギリスの3,600ポンド(およそ67万円)など、まるで比較になりませんよね。もちろんお国柄や宗教、死についてのコンセプトはまた日本とは違いますから、金額だけで計れるものではありません。
それでも注目したいのは、日本でも英国でも人々が『お葬式代がなぜこんなに高くかかるのか』という疑問を持つようになっているという事。
それなら、高すぎる葬儀のコストを下げるため、彼らが生み出すいろいろなアイデアは、私たちにとってもヒントになるかもしれません。ということで、あちらの事情を垣間見てみましょう。
英国、お葬式事情
同紙はこう説明しています。
財政に行き詰った地方自治体は、金をかき集めるための新しい方法-火葬費用の値上げ-を考え付いた。そのため過去一年間で、その費用は6パーセント上がり、平均662ポンド(およそ12万円)になった。
その後、すでに混雑している共同墓地で、良い区画を手に入れたければ、1,750ポンド(およそ33万円)を支払うことになるという。
これに故人の遺体を扱う費用、棺、葬儀屋に支払う金額、墓地代などが加われば、請求書は瞬く間に3,600ポンドにまで跳ね上がる。
これにエクストラ、すなわち追悼式や花代、ケータリングや法的費用などを加えたら、合計で8,500ポンド近くになると、保険業者のリサーチは示している。
さらに挙げれば、リムジン(230ポンド)、死亡欄や葬式の告知(140ポンド)、墓石(772ポンド)、儀式の準備(60ポンド)、会場使用料(110ポンド)などが、そのエクストラのカテゴリーに入るだろう。
…これらこそが、まず最初に除外できるものなのだが。
こう並べてみると、自分の手を離れたところで、費用がいかに積もり積もって大きくなっていくかがよくわかります。
この記事で指摘されていたのは、お葬式となると私たちはなぜか、自分が『買い物をしている』という感覚を失い、値段を比較したり、節約を考える事さえ‘非常識’であるかのように振る舞ってしまうという事なのです。
代替案
送迎には自分たちの車を使う。葬儀の段取りも自分で考え、プログラムを編集しプリントする。
棺を運ぶ人も知り合いの中で依頼する。大々的なケータリングの代わりに馴染みのパブに行く、など省略できるものをどんどんカットし、自分がコントロール権を握るように、というのがメール紙のアドバイス。
死の悲しみに直面し、感情的にハードな時かもしれないが、かといって何もかも業者に寄りかかっていては、のちに請求書が届くときに、さらなる悲劇が待っているかもしれない、と。
当然ながら割愛できないものもあります。埋葬がその一つ。
でも選択肢はあります。たとえば森林でのシンプルな葬儀を好むなら、自然葬のサイトを利用できるそうで、これは共同墓地の区画と墓石を購入するよりずっと安上がりだとか。
たとえば、ドーセットなどの田舎であれば、一区画450ポンドで済むけれど、共同墓地だとその3倍以上する、と自然死センターのマネージャーは述べています。
「木製の棺の代わりに、安価のダンボール素材の棺(170ポンド)や枝編み細工の棺(550ポンド)を使う事もできます。」と同マネージャーは話す。
今や、これまでのお葬式の常識は覆されつつありますね。では、この『地味葬』の流れに、葬祭業界はどう対応しているでしょうか?
葬儀業界の苦肉の策
1,000ポンドで必要なものすべてがカバーできる。業界内では通称『ディスポーザル・サービス』と呼ばれるこのプラン、あまり利益にならないため葬儀屋はめったに薦めないのだが、遺体の引き取り、火葬そしてシンプルな骨壺での返却がその値段に含まれる。
火葬場でのセレモニーを望む人々にはちょうどいい。
ディスポーザルとは歯に衣着せぬ言い方ですが、これまでのお任せ葬儀のベルトコンベアーに人々が乗らなくなり、業界側もこの流れにのっとった策を講じなければならなかったのでしょうね。
さて、節約はいいけれど、それだけでは物足りないという方のために、さらなるアイデアが!
お葬式をパーソナライズ
なんと、棺メーカーのスペシャリスト達は、故人の人柄や好みを表現する、よりパーソナルな棺や骨壺のアイデアを提供しています。
なんと、それは、鮮やかな色のアートをあしらったダンボールの棺から、お気に入りのサッカーチームの旗のデザインの棺、海賊船をかたどったものや、極め付けに廃棄物用コンテナに見立てた棺まであるのです!
骨壺もいろいろ。ビール瓶型、宇宙船型、フクロウなど、ユーモアたっぷり。
仏教にのっとったお葬式に慣れている日本人にとっては、少々’不謹慎‘と映るようなものもあるかもしれませんが、宗教やお国柄の違いを踏まえれば、同じ人間として、他の国の人々が死をどう受け止め、それに対処しているかを垣間見ることができます。
それで興味のある方には是非、この突飛な棺や骨壺を作っているメーカー、『クレイジー・コフィン』のサイト(www.crazycoffin.co.uk)を覗いてみていただきたいと思います。
それでは、これまでに挙げたお葬式の節約術、パーソナライズのアイデアについての、人々の反応をご紹介しましょう。
【参考URL】http://www.dailymail.co.uk/money/bills/article-2845344/How-save-money-funeral-send-deserve.html#comments
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2141255/Rest-piste-The-weird-wonderful-coffins-guarantee-giggle.html
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母親の葬儀を準備していた時にいくらかかるのか葬儀屋に尋ねたけれど、むしろ嫌な目で見られ、しかも答えてもらえなかったよ。
葬式の事でなかったら、立腹して立ち去ったところだが、葬儀屋相手になると値段を確かめるのを躊躇してしまうのはなぜなのだろう。
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↑だからこそ事前に予約して、家族や友人に自分の意思を伝えておくべきなんだ。
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前もって自分の葬式のアレンジする人が増えて、家族の感情的ストレスが軽減されているんじゃないかな。
もちろん、差し迫ったその時になって値段を見て回るのは、なかなか勇気がいるけどね。
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↑私たちはすでに自分の葬式を’買った‘よ。値段が上がることはないし、今払った価格が、死ぬときにも有効なんだ。
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↑グッド・アイデアだが、残念なことに、自分の意思を家族にきちんと伝えている人は15%にすぎない。
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エキスプレス葬や火葬なら価格据え置きで999ポンドだよ。家族葬は全国一律1795ポンドで予約できる。
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素晴らしいアドバイスですね。
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両親が逝くときは、ダンボール素材の美しい箱を受け取ることになるだろう。木製の箱で火葬しなければならない理由などないからだ。
再利用できる’美しい‘棺を葬式に使い、その後遺体をベーシックなダンボール素材の箱に移したり、白布で包んだりして火葬に向かうことがなぜできないのか?
ひどい無駄だ。高額の費用がかかるし、環境にも悪いし、不必要なものだ。
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↑棺の蓋にあおむけで寝ているあなたの写真、側面にはそれを横から見た写真を貼るっていうのはどう?シースルーみたいだろうね。
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↑ちょっと真面目に考えなさいよ!
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サリー州にある自然葬指定地では、簡素な家族葬は1800ポンドでアレンジできるよ。
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↑その通り。葬儀屋の介入なしで、どれだけ多くの過程を家族が自分でこなせるか、この記事が述べていないのは不思議だな。
葬儀屋を使う事は法的な義務ではないし、良い葬儀屋であればなるべく家族の意向を尊重する。
皆が皆そうではないだろうが、私の母は何もかも葬儀屋に任せているより、自分で動きまわっているほうが、悲しみをやわらぐように感じたそうだ。
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医療科学に自分の体を提供するのもいい方法ですよ。
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残念なことに、遺体提供はしばしば、医学的処理また検死官による検査を終えた段階で、拒絶されることがあるのです。遺言を実行できずに、私たちは何人もの方の遺体を埋葬・火葬しなければなりませんでした。
このような時には、家族の信念にのっとってエキスプレス埋葬やエキスプレス火葬が選ばれますが、遺族は実際には当惑しています。
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葬儀前日に、葬儀屋がキャンセルしてきたどうなるの?これは実際、ある不運な家族に起こったんだから。地元紙にも掲載されたよ。
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私が自分の体を離れた時には、凝った棺に何千ポンドもかけないでくれ。
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問題は、このおもしろ棺は埋葬用の穴には入らないってとこだな。
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私の国(ガーナ)では、こういう飾りたてた棺は珍しくないわ。バスの形や、カニ、鷲、飛行機の形の棺を見たことがあります。
棺の形は通常、亡くなった人の専門職を表しているのです。これも十分に敬意ある、名誉を重んじた送り方だと思います。
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僕に言わせれば、悪趣味だな。死に対しては敬意を表さないと。
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↑元気だそうぜ。死ぬときにどんよりしたくない人もいるんだ。俺も自分の時は笑って見送ってほしいね。
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幼い時からの私の夢は、宇宙飛行士になる事だったの。だから、子供たちは私が死んだ時には灰を花火-ロケット-で飛ばしてくれると言ってます。
素晴らしいと思うわ。だって、私はいつでも花火が大好きだったし、私がいなくなった時でも人々にスマイルを届けてくれると思うから。
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なんかこういう話って変な感じするけど、私が死んだら、一番安い再生ダンボール箱でいいわ。
だって死んでるんだし、そんなのどうでもいいでしょう。
でも、体についてはすべては一つ残らず臓器提供したい。家族に負担をかけるなんて、考えられないし、たとえ死んでも家族にはいつも与えていたいわ。
まとめ
死についてのコンセプトは人によって異なるし、人を弔う従来の方法を伝統として守っていきたい人も多いことでしょう。
いずれにしても、この記事で強調されていたのは、自分で『選ぶこと』、お金の行方をしっかりつかんで、納得したうえで買い物をする、という事。
それを怠ってしまうなら、待ち構えている業者達に導かれるまま、あなたもベルトコンベアーに乗せられることになるかもしれない…?!