保険会社の営業認可は金融庁が監督しています。一定の基準をクリアしていないと、外資系だろうがネット専業だろうが営業できないことになっています。
しかし、そんな基準をクリアしていたのに破綻してしまった保険会社が過去にはありました。もし、現在そんなことになったら、どうなるのでしょうか?
保険が保障される仕組み
法律では、生命保険会社として営業の認可を受けた場合は「生命保険契約者保険機構」という組織に所属しなければならないことになっています。生命保険契約者保険機構では破綻しそうな保険会社の受け入れ先を探したり、生命保険契約者保険機構が受け入れ先になったりします。
いずれにせよ、最低でも保険の責任準備金の90%が保障される仕組みになっています。
責任準備金の90%は保障されるというのは、それまでの保険料が全く無駄になる訳ではないですが、保険金額が下がったりするなどの負担を契約者も負わなければならないということです。
保障額が1,000万円の生命保険の為に毎月1万円支払ってきていても、生命保険会社が破綻して責任準備金の90%しか保障できないとなると、保障額が900万円よりもずっと少なくなる可能性があります。責任準備金が90%になるというのは保険金額の90%になるという訳ではないのです。
実際にいくら責任準備金があるかは、予定利率や保険料の支払い期間などにも左右されるので一概には言えませんが、保険料負担が増えたり、保障額が減るなど不利益を契約者が被ることは避けられません。
保険会社の経営状態が保障に影響
また、予定金利がとても高い場合は予定利率も一定の割合(現在では3.0%が上限)に引き下げられる可能性があるので、保険金額がもっと下がる可能性があります。
こうなると保険会社が破綻したらすぐにでも保険を解約してしまいたくなりますが、破綻処理中に保険を解約する場合は、解約返戻金を規定よりも減らす措置を取る場合があります。大勢の人が保険を解約しようとしたら、それこそ保険会社の破綻に拍車をかけてしまい、他の契約者の不利益になるからです。
さらには責任準備金の90%すら保障されていない保険もあります。運用結果によって保険金の支払いが全額決まるような元本保証のない変額個人年金や、確定拠出年金などがそれにあたります。
今はアベノミクスで金融面は順調ですが、保険は長い期間保険料負担する方が多いものです。保険会社の選択基準の一つに安定経営も入れた方がいいでしょう。