1960年代に比べて、妊娠から子育てにかかる費用は23%も上昇したという統計が出たイタリア。妊娠中の期間には2000ユーロ、出産後の1年間には1万4千ユーロもの出費になることもあると言われます。
小さな子供にかかる大きな費用
イタリアで妊娠期間中にかかる諸検査、薬、ビタミン剤、ベビー用品代は、平均して合計約2000ユーロ。
出産後も支出の嵐は続き、使い捨てオムツに1年間で1050ユーロ、離乳食、衣類、おもちゃ、DVD・・・と限りなく続く買い物リスト。
学校に入学すれば、お小遣い(イタリアの平均額は週に16ユーロ)、医療費、高額な歯の治療費、習い事、ファッション、スクーターなどなど、色々な支出が待っています。
増大した子育て費の収入における割合
1960年から現在にかけてのインフレで、イタリア国民が子育てにかける費用は23%も増加しています。一方で、衣類にかける費用はおよそ半分になり、食費も16~25%減少し、子に反して、親のほうはやや切り詰めた生活を強いられているのが現状のようです。
それにもかかわらず、かわいい子供には不足な物の無いように、皆それなりのお金をかけています。
イタリアでは、一家の年収が2万2千ユーロ以下の家庭で子供にかかる費用は年間約6千300ユーロであると言われます。一方、年収3万2千ユーロレベルでは年間約9千500ユーロを、また年収6万8千ユーロ以上のレベルでは年間約1万5千ユーロを子育てに費やす余裕があります。
収入に対して、子供にかかる費用の割合が比較的高い理由としては、どうやらイタリア社会における公的サポートの充実度が低いことも一因としてあるようです。
イタリアの社会福祉における問題点
2007年から2014年の間に、児童を持つ家庭に対する公的援助予算は20分の1以下に減少してしまい、扶養家族に対する控除額も減少しました。
また、公立保育園の数も全体的に十分とは言えず、市によっては全体の希望者数の5%しかカバーできないという地域も存在することや、私立保育園の費用が高額であることから保育園を諦めざるを得ず、仕事を持つ母親の社会復帰を難しくしているという現状もあります。
実際、イタリアのネオ・マンマが出産後に職場復帰をする割合は59%となっています。それに対して、スペインでは63%、ドイツでは74%、スイスではなんと81%の女性が、乳幼児を育てながら仕事に復帰できる環境にあるのです。
このような現状に対し、イタリア人たちはどのように考えているのでしょうか?ここで、いくつかコメントをご紹介します。
【参考URL】http://www.repubblica.it/cronaca/2014/02/06/news/dalla_culla_alla_maturit_crescere_un_figlio_costa_quanto_una_ferrari-77811606/
http://www.pianetamamma.it/il-bambino/shopping/quanto-costa-un-bambino-trucchi-per-risparmiare.html
-
確かにイタリアでは家庭への公的援助が乏しいね。
-
節約しようと思えば、上記の数字よりもっと少ない費用でやりくりできると思う。
でも、最近の子供たちはいろんな物を持ってあたりまえだと思っているから、買う買わないは躾の問題になってくるよね。
-
うちは一人しか働いていないけど、子供3人で十分やっていけています。もちろん、何でも買ってあげるというわけにはいかないけど。
大切なのは、親のサポートや健康、教育が欠いていないということでしょう。他の事は、特に重要ではないのでは?
-
↑1人分の給料しかないのに、よく3人も子供を作ったね!
-
欲しい物を全て手に入れて育って礼儀を知らない子供たちと、あまり物を買ってもらわずに育って礼儀正しい子供たちとがいますよね。
-
費用の話になると、いつもフェラーリの値段が対比される・・・。
-
↑記事の言わんとすることは、イタリアには子供を持ちたい家庭に対する公的援助が乏しいということなんだよ!
-
子育て費用がどのようであれ、子供を育てる甲斐はあると思う。
-
「足りない物が無いように気をつける」ことに執着しない方がいいのではないかな?この消費社会では、必要に見えるけど実際は不要、というものも結構ある。
私は3人の子供を育てたから言うけど、余計な物は無いほうがいいと断言できるよ。
-
この記事だと、子供が何でも欲しがる物を全て買った場合の合計金額でしょう。
それが0歳から18歳まで続くとなると、現代は物も断然増えてるし、金額にしたら70年代に比べて大変な違いになることは明らかだ。
-
冗談じゃない!子供には、食事を与えて愛してあげる人が一人(二人のほうがより良いけど)いればいいんじゃない?
母乳で育てて、瓶入り離乳食じゃなく、大人の食べ物を細かくしてあげたり、使い捨てオムツをやめて洗えるオムツにしたりすれば、相当な節約になる。
-
あまりお金のないカップルだって、子供を諦めることはないと思う。適切な選択をすればやっていけるはず。
この記事を読むと、子供を持つことにちょっと尻込みしちゃうかも。
-
↑現実には、お金が一番かかるのは0~1歳の期間じゃなくて、もっと成長してからが問題なんですよ!
-
お金をかけないで育てることが、愛情が足りないということにはなりません。
-
子供は、物質でなく愛情や尊重、優しさを与えてあげれば、ずっとついて来てくれるものです。
-
だから、僕と妻は、子供を作らないことにしたんだ。
-
我が家のフェラーリはどうなることやら・・・。
-
子供ができたら節約は大切です。
私もよく姪の面倒を見ていますが、瓶詰めの離乳食なんて一切買わずに、全て手作りでミキサーにかけて作っています。
オムツも洗うタイプにして、エコ志向でやっています。
-
使い捨てオムツは、無名メーカーのだって有名メーカーのに全然劣らないみたい。私もよくネットショッピングでベビー用品を買っています。
-
何でもかんでも新しい物を山のように揃える必要はないと思う。
ベビー服は最低限の数だけ用意してこまめに選択するとか、ベビーカーだって最新モデルのを買う必要は全く無し。哺乳瓶の消毒器とか保温器だって、あまり活用しないで終わってしまう人が多いはず。
ちょっと考えれば他の方法で代用できるし、そういう費用を節約したほうがよいのでは?
まとめ
家庭の収入をやりくりするお母さんたちは世界共通。イタリアのマンマ達も、出費をできるだけ抑えようと色々工夫しています。
例えば、ベビー服やベビー用品は保存状態のよいリサイクル品を買ったり、ネットショッピングを利用したり、離乳食は瓶入りの既製品を使わずに手作りしたり、ディスカウント・スーパーで買い物をするなど、皆それぞれに工夫をしています。
子供は未来。将来への投資として、今後イタリアでの児童関連公的サービスの充実が向上することを、皆望んでいます。
ジョニー
「余裕のある人だけ好きなだけ買い物」してると、社会性がゆがむ事もあると思わん?小皇帝しかりでさ。
「愛を持ってしっかり育てられた子」は絶対に歪まないとか、ジョニーは童貞だね?w