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核開発より経済回復が優先!?イランの複雑な心境

2015/07/25
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核兵器の恐ろしさを身をもって体験した唯一の国、日本。広島と長崎に原爆が投下されてから70年が経った今、核兵器開発は完全に撤廃されたどころか、核兵器を保有する国、いわゆる“核クラブ”は増加傾向にあります。

今現在核兵器を所有している国は

  • アメリカ
  • ロシア
  • イギリス
  • フランス
  • 中国
  • インド
  • パキスタン
  • 北朝鮮

 
また正式に核保有国として公表はしていないものの、イスラエルも国際社会では核保有国と考えられています。

そんな9カ国に加えて、核開発に異常なほど執着している国が存在します。それはイラン。

皮肉な事に、イランでの核開発は「平和のための原子力」と意義付けられた、電力源としての原子力開発でした。これは1950年代から1979年のイラン・イスラーム革命が起こるまで、アメリカからの援助を受けて行なわれていました。

しかし、イスラムの教えを基にしたイスラム共和制へと移行してからは、アメリカとの関係は急激に悪化。そして、1980年から始まったイラン・イラク戦争を機に、イラン政府は核開発を再開始し、徐々に規模を拡大させて行きます。

今では、核兵器開発に関与している疑いも持たれる程、規模の大きなものになっていると懸念されています。

国連はそんな脅威を増していくイラン政府に対して、核兵器開発が不可能なレベルまでの核施設の縮小を求め、1979年より経済制裁をかけていますが、イランの強気な姿勢に全く変化は見られませんでした。

しかし、今年の4月にスイスのローザンヌで米・英・独・仏・中・ロの6カ国とイランとの間で行なわれた外相級を含めた協議で、イラン側に大きな変化が見られたのです。

経済制裁による景気低迷

最近のイラン経済は、決して悪いわけではありません。自動車生産は58パーセント、ピスタチオの輸出率は71パーセントと上昇していますし、インフレ率もここ最近下落傾向にあります。イラン経済は少しづつではありますが上向傾向にあるのです。

しかし、イスラム教シーア派のメッカとしての役割を果たしているここ最近のイランは、レバノンのヒズボラ、シリアのアサド政権、イエメンの武装組織フシ、イラク政府と言ったイスラム教シーア派への資金援助がかさみ、かなりの経済負担になっています。

そこで、イラン政府の頭によぎった事は、経済制裁が解除されれば経済回復に加速がかかると同時に、経済的な不安材料であった若者の失業率の解消にもなり、イラン国内での現政権に対する支持も上昇する、という経済及び政治的利点だったのです。

そして、そんなイラン政府の心情を上手くつかんだ6カ国の外相達が、今回の核開発縮小へ向けての協議に挑んだのです。彼らの提示した条件の一部には、イラン政府が見逃す事のできない条件が含まれています。

  1. 原油輸出量の増加
  2. 千億ドル(約11兆9230億円)以上とまで言われている、海外企業や外国政府からの原油未払い金の一部支払い
  3.  
    中国政府の正式な発表によると、約250億ドル(約2兆9770億円)、インド政府は90億ドル(約1兆711億8000万円)近い未払い金があると公表しています。

    経済制裁は効果的!?

    では、今回イラン政府に対して“武器”として使われた経済制裁は、イランの国際社会への脅迫的な姿勢や隣国への政治・武力的干渉をも縮小させる程の効果はあったのでしょうか?

    プリンストン大学の研究員によると、

    更なる厳しい制裁が科けられたにもかかわらず、2005年以降は核開発規模を拡大したり、新しい施設を建設している事を考慮すると、経済制裁は核兵器開発プログラムの縮小の為には有効的では無い。

    その上、イスラエルや隣国への政治的対立が収まる気配も全く見られないことから、政治的に脅威的な姿勢を崩すのにも効果はほとんどない。ただ、イラン経済を低迷させるという目的だけであるのならば、経済制裁は非常に効果を発揮している。

    とのことです。この発言を裏付けるかのように、経済学者のパラモンド氏は、

    2012年にはイラン経済は7パーセント縮小しており、翌年の2013年には更に2パーセント落ち込んでいる。しかし、昨年のイラン経済は3.5パーセント上昇したものの、石油価格の低迷が大きく響き、今年は景気の後退がまた予想される。

    と話しています。

    IMF(国際通貨基金)によると、石油価格が50パーセントまで落ち込む前の段階で、イランの石油収入は2012年に比べて既に半分以下に落ち込んでいたと言うことなので、石油価格が更に下落している現在では、かなりの損失を受けていると考えられています。

    この記事の海外に対する反応

    もしイラン政府が身勝手な理由で隣国に武器やら資金援助をしなければ、イラン経済は別に悪いわけではない、と言うことなの?

    この合意は最終的にイランに有利な事ばかりだと思うけど・・・。

    経済制裁だけでは、核兵器開発を阻止する事はできないのはわかってるはず。多国籍軍がイランへ戦争を仕掛けるか、イランと平和的な交渉をして、強制的に同意させるかのどちらかしかないよ。

    イラクの時と同じ間違いを犯してるような気がする。徹底的な証拠が無いのに大量破壊兵器を所持している疑いでイラクを侵略した。

    今度は、イランが核兵器を開発している根拠は何処にも無いのに大騒ぎ。アメリカって本当に失敗を学ばない国だよね。

    イスラエルがパレスチナに対して行なってる非人道的行為をアメリカが認めない限り、イランはあらゆる手段を使ってでも抵抗してくると思うよ。核兵器もその一つ。

    ブッシュ政権のように、戦争でアメリカ経済が好転する、と言うような事を二度としてもらいたくないね。

    イラン政府の主張としては、イスラエルが核兵器を保持してるから自分も欲しい、と言うことでしょ!?イランとイスラエルが解決すれば良い話では?

    何をしてもイランは核兵器を開発するよ。その後にサウジアラビアもね。

    中東でキノコ雲が見れる日は遠い話ではないと思う。

    イランが核兵器開発を中止したとしても、アメリカなどは核兵器を放棄しないわけでしょ? 契約同意後に、イランへ武力行使を行なうつもりじゃないの?

    同意が成立すると思う?イランだけじゃなく、アメリカも信用できないと思うけど。

    同意書の中に、もし同意に反する事をしたら、多国籍軍は即イランを武力攻撃する、と記すべき。

    70年代の革命前と革命後にもイランを訪問した事があるけど、イラン政府は別として、イラン人は本当に知的で親切な国民だったことを今でも覚えてる。革命前のように、イランに自由が訪れる事を祈ってるよ。

    今の原油価格の下落は、イラン経済を破綻させるためにわざと価格操作をしてるんだと思う。

    もしイスラエルが核兵器を放棄したのならば、イランも放棄するのでは?

    イスラエルにも核兵器に関しての何らかの国際的な同意を要求しないと、いくらイランだけに同意を求めたとしても意味が無いよ。

    世界の終わりに近づくと、シーア派の何処かに隠れているであろう最後の預言者が、何処からか出てくるんでしょ?だからわざとイランは第3次世界大戦を本気で考えているらしいよ。

    イランが抱えている経済状況は、どこの国も抱えているもの。景気低迷に若者の失業率の高さ。イランが同意するのには他に政治的な理由があるはず。

    アメリカは始めからイランが同意するとは考えてないよ。同意に応じなかったら、国連決議で武力行使が出来るんだからね。

    結局、経済的に厳しいEU諸国が真っ先にイランと何らかの同意にこぎつけるんじゃないの?安い原油の為に、そんなに難しい条件は持ち出さないはず。

    埋まりそうにない深い溝

    最終的に、イランが10年以上は核兵器が製造できないレベルまで核施設を縮小する事。また定期的に外部からの査察団を受け入れる事などを柱とした「枠組み」が合意されました。

    この同意を一番歓迎したのは、実はイラン市民。核兵器疑惑で30年以上経済制裁を科され、国際社会からも完全に孤立していた市民にとって、制裁解除による経済的な恩恵を祝うと言うよりも、国際社会の一国民として、国際社会に復帰できた事を喜んでいるのです。

    しかし、イランの最高指導者であるハメネイ師は、同意の数日後には、イランの名誉が守れないような内容であれば同意はしない、と早くも認識の違いを鮮明に浮き彫りする発言をしています。

    イギリスは総選挙、アメリカそしてイランは大統領選挙を間近に控えています。核兵器放棄に向けた同意、と言うよりも、選挙へ向けた各国のパフォーマンスとも受け取れるような気がしませんか?

    【参考URL】http://www.washingtonpost.com/business/economy/for-iran-boosting-its-economy-is-the-real-incentive-to-cut-a-nuclear-deal/2015/03/29/8ad83fd0-d19d-11e4-a62f-ee745911a4ff_story.html
    http://edition.cnn.com/interactive/2013/03/world/nuclear-weapon-states/

    経済制裁ってめっちゃアイタタだもんな。とりあえず武力行使にだけはなってほしくないね。イスラエルのこともあるしイランも譲れないと思うけどさ~。選挙のパフォーマンスでもなんでもいいから市民と国のためになる決まりができてほしいね。

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    この記事に対するコメント
    1. 日本の名無しさん より:

      実際イランってのはプライドが高い。日本人なら理解できるはず。
      あの地域で大国としての素質があるのはイラン。皆が言うようにイスラエルへの何らかの抑制策を講じない国際社会を信用出来ないわけでイランがなんのために譲歩するのか分からない今の状況が問題。日本人ってあまり知らないようだけどIAEAの運営費のほとんどが日本が担っていて日本への駐在人の数も最多。日本が国際社会で信用を得るために作った自らを監視させる機関って側面が90年代まで強かったんだよ。今でこそIAEAの役割は拡大したが日本はそこまでして信用を得るようにしてきた。イランはなぁ…本音は隠さないんだよなぁ…w

    2. 日本の名無しさん より:

      まあイランの視点で見れば、国際社会は宿敵イスラエルの核は黙認してオレらにだけ制裁っていうダブルスタンダード以外の何者でもないだろうな

    3. 日本の名無しさん より:

      リビアやシリアが欧米の都合で攻撃されてイスラム国の台頭を招いたわけだが、対イスラム国という観点から見てもイランは重要だろ

      日本は立場上アメリカ側の存在だし、現状のイランが必ずしも住みやすい国かはわからないが、なんで俺らが悪の根源みたいに扱われなくちゃいけないんだ?というイランの苛立ちはわかる

    4. 日本の名無しさん より:

      準日の丸石油と呼ばれたイランのアザガデン油田を喪失して以来
      日本は資源探査や採掘の失敗続きで資源権益にひどく及び腰になった
      これが原発事故以来のエネルギー高騰で体力を失った日本の国力に悪影響を与えてる
      一時的な資源安に転じた今だからこそイランと関係回復する絶好の機会到来
      イスラエルの妨害に負けず平和な中東地域を再建してほしいね

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