ヨーロッパは今何処の国も、難民問題で手をこまねいています。この問題について、ヨーロッパで暮らす日本人は現地の人とよく話をします。

確かにたくさんの難民がやって来てそれを保護するのは良いことです。しかし自分たちの社会が圧迫されるのも事実ですし、そのせいで社会が危険になると不安視するのも分かります。

それを踏まえて、もしも日本に、突如として数十万単位の難民がやってきたら、自分は大歓迎して迎えられるかと問われると、少し自信が無いです。

もちろん私は人道的に助けてあげるべきだと思っています。ただ自分の国の経済状況等を考えると、どう助けてあげるべきが一番なのかな？と悩んでしまいます。

それに私自身、海外（ドイツ）に住んでいる身。手続きが違うだけで、現地の人からしたら（難民らと）同じ外国人として見られている訳です。外国に住むという事について考えれば、彼らと共通する部分が少なからずあると思います。

私と共に、互いに双方の母国（日本語とドイツ語）を教え合っているドイツ人の友人は、将来奥さんと日本に住み、仕事をする事を目的として、大学に通いながら日本語を勉強しています。

自分たちの気に入っている文化圏を選択し、生活出来る様になった時代、もはや人種にこだわる事はなくなるでしょう。むしろ同じ文化圏で生活する人を、同じ国の人間として接する事が標準になるかと思います。

そういった意識を持てたら、自分の国で満足に生活する事が出来ない難民を受け入れられるような心構えをしよう、と考える様になりました。

前置きが長くなりましたが、ドイツのニュース見ていると、今、当然のごとく難民がらみのニュースが多いです。このサイトでも何度か取り上げていますが、最近読んだものの中でもひときわ驚いたニュースがあります。

それはギリシャの小さな島に1万人を超える難民が押し寄せたという報道です。1つの島にだけでもこんなに大量の人が押し寄せる・・・中東の難民事情が深刻なのが伺えます。

これが何か考えるきっかけになってくれたらと思い、紹介させて頂きます。

借金があるのに、なぜギリシャに難民が？

「なぜ経済が困窮しているギリシャに難民が押し寄せているの？」とお考えの方もいるかと思います。実はギリシャは中東からの難民が、ヨーロッパでも豊かな国のドイツやフランス等の目指す際に通るルート上にあるのです。

そしてギリシャでも難民の保護を行っています。先日EUは各国への難民の援助費用の分配を決定し、ギリシャは4億7400万ユーロ（約629億円）を受け取り、受け入れの体制も整えている状態です。

小さな島で待機させられている難民

脱出ルートの通過点としてギリシャに訪れる難民の数は日に日に増加しています。最新のEUの国境線防衛の団体『Frontex』の情報によると、ある1週間だけで2万3000人の難民がボートでやって来たそうです。

休暇で多くの人が訪れる東エーゲ海にあるレスボス島単体では、1万5000人の難民達が猛暑の中、難民申請または通過許可を貰おうと待機しているそうです。その中には子供も多く含まれているそうです。

また近くの国トルコからは、毎日100人以上の新参者がやって来ています。

しかし先程述べたようにギリシャは経済危機の真っただ中。もちろん国はお金が満足に無い状況な上、特に東エーゲ海の地域の地方自治体には難民を救済するお金がもっと無いそうです。お金もない上にトイレすらも用意出来ず、多くの人はただ野宿をさせられています。

沿岸警備隊によると、東エーゲ海の島の前で24時間以内に1200人を逮捕したそうです。またバルカン経由で西ヨーロッパを目指すために、サモス島、コス棟、アガトス島等の島々に待機している難民は1000人以上と言われています。

乱闘も勃発！フラストレーションが貯まる待機難民たち

ギリシャとマケドニア国境線上では、難民同士で取っ組み合いや乱闘が発生しました。彼らは燃える様に暑い気温の中、出国手続きの為に待たされていた様です。

マケドニアの警察側より通行許可を与えられるのは30分につき50人ほど。難民に数に比べて非常に遅いペースだと想像できます。それによってギリシャ側の手続きでは、恐ろしい程の長蛇の列が発生しています。

ある地方の市長はテレビで「次から次へと人がやって来る、しかし私たちを助けてくれる人は誰もやって来ない。」と発言した程、対応に困っているようです。

これを受けギリシャ政府は東エーゲ海の地域の緊張を和らげようと、ピレウスという都市に難民の一部を移動させる計画をしています。それによって4200人分の負担を軽減出来ると考えられています。

この記事に出て来た数字がヨーロッパという広大な土地の中の、ほんの小さな街で起きているのですから驚きます。

この他にも、

1. 既にギリシャを通過して西ヨーロッパに渡った人
2. 中東のサウジアラビア等に逃げた人
3. 残念ながら移動中に命を落とした人

等の難民を合わせたら恐ろしい数字になるでしょう。

1つの国からほとんどの国民が脱国の意志を持っているような状況だと思います。感想に困る程、悲惨な状況です。

このニュースを読んだ海外の人はどのような反応を示したでしょうか？一部コメントを抜粋して紹介したいと思います。

これが本当に21世紀の世界？

ヨーロッパ内でも難民を抱える数が非常に異なっているので、コメント欄では責任を追っていない国への批判が多く見受けられました。

それにしても、これが本当に21世紀なのだろうか？と思う程、想像を絶する情報が入って来ます。

21世紀型の現代的な生活を送れているのは我々くらいで、多くの人はスマホ等のテクノロジーは手にしているけれど、生活環境は数十年前とそんなに変わっていないのではないかと考えてしまいました。

あまりスピリチュアルな事は信じませんが、こういう記事を読むと、豊かな文化圏に生まれる事が出来た奇跡のありがたみを感じます。

【参考URL】http://www.spiegel.de/politik/ausland/griechenland-tausende-fluechtlinge-auf-lesbos-a-1050913.html
http://www.zeit.de/gesellschaft/zeitgeschehen/2015-07/griechenland-fluechtlinge-krise

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