“子供の頃には、家の中に自分だけの小さな空間があったものだ。”とアフリカ、ケニヤ生まれで英国育ちのジェームス・モリソン氏は語りました。
モリソン氏は写真家としてその活動拠点をイタリアのベネチアに置き、2011年に【世界の子供達のベッドルーム】といったタイトルの本を発刊しました。
この本の中で紹介されている写真集は、子供達の生活を取り巻く「物質的・文化的環境」を生々しく訴えかけているものもあり、発刊直後から話題を呼んだものでした。
この21枚の写真からは世界中で様々な状況化に置かれた貧困層の子供達が、どのようにして生き抜いていっているのか、写真を通して子供達からのメッセージを我々に発信してくれているのです。
セネガルから東京へと、3年以上も世界中を旅しながら過ごして来たモリソン氏の写真集では、世界の国々の子供達が寝る部屋1枚1枚の写真が紹介されており、そこからは写真に納まっている子供達の国の生活スタイルが浮き彫りになっています。
そして経済格差の背景もその写真の向こうから伝わってくるのです。
そして写真から多くの貧困層の子供達の存在を知ってほしい。何でも手に入る幸せで保障された暮らしを、発展国でいかに我々が享受出来ているかという事もね”
とモリソン氏は語っていました。
先にも触れたように、モリス氏のドキュメンタリー写真は【世界の子供達のベッドルーム】といったタイトルで発刊されています。
それらの衝撃的な写真はローマの郊外からやって来て、野原にたったひとつのマットレスの上で家族皆で眠る少年の写真から部屋中がコンテストで優勝した際に身につけた冠と飾り帯のサッシュで埋め尽くされいるアメリカ人の少女の写真まで、実に様々です。
子供達の年齢は9歳から13歳までで、写真からは格差社会を浮き彫りにした姿が見えてきます。
それでは、写真をご覧下さい。
1. ドン・9歳(中国/雲南省)
9歳のドンは、中国南西部に位置する雲南省に両親、姉そして祖父母と一緒にひとつの部屋に住んでいる。
ドンの家族は、彼らが食べていけるだけの米や砂糖きびを自給自足できるだけの自分達の土地を持っている。
2. アリーシャ・8歳(アメリカ/ハーラン郡)
8歳のアリーシャは暖房は薪ストーブだけといったケンタッキー州の小さな家に住んでいる。アリーシャの父親はウォールマート、母親はマクドナルドで働いている。
3. アレックス・9歳(ブラジル/リオデジャネイロ)
学校に行けないアレックスは、1日の大半を路上で物乞いをして過ごし、夜寝る場所は自分たった独りで見つける。
誰もいないベンチの上、誰かが外に捨てていったソファや道路の上にそのまま寝る生活だ。
4. カヤ・4歳(日本/東京)
東京の小さなアパートに両親と一緒に住んでいる4歳のカヤの寝室は、沢山のおもちゃに囲まれ、まるで女の子達全てが夢見るドリームランドのようだ。
カヤが身に着けている全てのドレスは3ヶ月かかって母親が縫い上げた手作りのものだ。カヤは30着のドレス、コート、おそろいの靴、サンダルや複数のかつらを持っている。
5. プレナ・14歳(ネパール/カトマンドゥ)
プレナは、カトマンドゥで家政婦として働く14歳の少女である。ネパールで働く家政婦の賃金は、1日13時間で1ヶ月6ドル50セントである。雇い主の持ち家の小さな2階の部屋で寝泊りしている。
プレナは1週間に3回だけ学校に通え、彼女の将来の夢は医者になる事だそうだ。
6. リサ・15歳(日本/京都)
京都の置屋で13人の芸妓達と一緒に暮らす15歳の少女、リサは舞妓である。
彼女は食事をしたり茶室になったりもする、ひとつの畳の部屋で5人の芸妓達と寝起きを共にしている。
7. ジェイミー・9歳(アメリカ/ニューヨーク)
ニューヨーク5番街のアパートの最上階に暮らす9歳のジェイミーは、チェロを奏でたりキックボールをする事が大好きで、シティバンク銀行のウェブサイトで金融の勉強もしている。
彼の両親は、ニューヨークのハンプトンとスペインにも豪華な家を所有している。
8. アノイモス・9歳(アイボリーコースト)
リベリアの内戦で難民孤児になった9歳の少年、アノイモスはアイボリーコーストで少年兵士を訓練する学校に通い、何人かのクラスメート達とコンクリートの掘っ建て小屋に住んでいる。
9. ジョーイ・11歳(アメリカ/ケンタッキー州)
父親に連れられて一緒に狩猟に出かける事もある11歳の少年、ジョーイは自分でも散弾銃と石弓を持っていて、7歳の時に初めて鹿を射止めた。
彼は両親と姉と共にケンタッキー州に住んでいて、狩猟のシーズンでは飽きるまで銃を使っているから今度は石弓を使いたいと願っている。
10. インディラ・7歳(ネパール/カトマンドゥ)
ネパールのカトマンドゥ近くに両親、弟や姉と一緒に住んでいる7歳の少女、インディラは3歳になった頃から働かされているという地元の石切り場で労働に明け暮れている。
学校にも通い、夜は兄弟姉妹達と共にひとつのマットレスで一緒に眠る。
11. ジャスミン・4歳(アメリカ/ケンタッキー州)
4歳の少女、ジャスミン(“通称ジャジー”)は両親と3人の兄達と共にケンタッキー州の大きな家に住んでいる。
ジャスミンの部屋は、美少女コンテストで優勝した際に身につけた冠とサッシュ帯で埋め尽くされている。
これまで参加したコンテストでは100人以上のライバル達がいたが、プリンセスとして君臨してとても満足しており、将来大きくなったらロックスターになりたいと願っている。
12. リュウタ・10歳(日本/東京)
リュウタは相撲でチャンピオンの座を獲得し、7年間競技に参加している。リュウタは両親、妹と共に東京に住み、ボーイスカウトのメンバーでもある。
13. アノ-マス・4歳(イタリア/ローマ)
ローマ郊外の野原にひとつのマットレスに家族と寝起きを共にする4歳のイタリア人少年、アノーマス。わずか4歳のアノーマスは、家族がローマに来る為のバス賃を稼ぐ為に必死に路上で物乞いをした。
身分証明書を持たない彼の両親は、ちゃんとした仕事につけない為、信号待ちしている車の窓拭きをして生計を立てている。
14. エレン・14歳(ブラジル/リオデジャネイロ)
ブラジルのリオデジャネイロでも治安が最悪であると言われるファベーラに住14歳の少女、エレンは3度も妊娠している。
寝場所はたいてい床というエレンは、臨月近くになったら母親と寝場所を交換してもらいベッドに寝せてもらえるという。彼女の最初の妊娠は12歳と13歳の時で、最初の赤ん坊は皆生まれてまもなく死亡した。
3度目の今度の出産で赤ん坊が無事生き延びられれば10代のシングルマザーとなり、学校も中退する事になるだろう。
15. リー・10歳(中国/北京)
10歳のリーは完璧主義で、毎晩3時間は学校の宿題に時間を費やして1番の成績を取るようにしている。リーは中国北京のアパートの片隅に両親と一緒に暮らしている。
16. マリア・12歳(メキシコ/メキシコシティ)
マリアは、中庭と防犯ゲート付きの3回建ての家に両親と姉と共にメキシコシティで暮らしている。
マリアのいとこのうちの1人がギャングに誘拐されてからは、彼女の両親は慎重な防犯対策を取っている。
17.ビラル・6歳(ヨルダン川西岸地区/ワディアブヒンディ)
イスラエル国境付近のヨルダン川西岸地区のワディアブヒンディに、ベドウィンと呼ばれるアラブ系遊牧民の両親と共に自分達で建てた掘建て小屋に一緒に住む6歳のビラル。
ビラルはまだ学校に通っていないが、家族の飼育している15頭のヤギの世話をしている。
18. ナンテイオ・15歳(ケニヤ/リサミス)
ナンティオはケニヤのリサミスという村に、2人の兄、2人の妹と共に牛皮とプラスティックで作られたテントに住むレンディール族の少女である。
ナンティオは数年間村の学校に通ったが、現在は戦士階級である“モラン”からの求婚を望んでいる。
19. ローシー・8歳(カンボディア/プノンペン)
8歳になるローシーは、カンボディアのプノンペン郊外にあるゴミ処理場に独りで住んでいる。拾って来たタイヤをマットレス代わりにして寝床にしているのだ。
仕事に出かける前の毎朝6時に、ローシーと数百人の子供達は地元のチャリティーセンターでシャワーを浴びさせてもらえ、朝食にありつける。
ローシーは、ゴミ処理場でプラスティックのボトルや缶をあさってリサイクルの会社に売り、生計を立てている。その日の朝食がたった1日1回だけの食事になる事もあるという。
20. デラニー・9歳(アメリカ/ニュージャージー)
デラニーはニュージャージーの大きな家に両親、弟、姉と共に一緒に暮らしている。家は子供達1人1人の寝室がある。
デラニーは将来ファッションデザイナーになる事に憧れ、自分の着る服をデザインしてみたいのだという。
21. リアノン・14才(スコットランド/ダーベル)
リアノンは、スコットランでもヘロイン中毒とギャングによる犯罪の問題が深刻化している地域、ダーベルの街のテラスハウスに両親、兄と共に一緒に暮らしている。彼女と彼女の両親は、近所の人たちからの虐待には慣れっこだ。
両親がそうしたように、6歳の頃からずっとリアノンも頭をモヒカン刈りして来た。彼女も両親、友達もパンク・ロック(サブカルチャー)に傾倒し、互いにサポートし合うコミュニティーを作っていった。
このように、普段の私達からの生活からは想像もつかないほどの格差社会により、世界の子供達を取り巻く環境は絶望的なまでに悲惨であったりもするのです。
生まれながらに貧しい家に生まれる子、豊かで貧しさを知らない家に生まれ子。
親を知らない子。
親に捨てられる子。
人は生まれ落ちたその瞬間から始まる人生をどう切り開いていけば良いのでしょうか。
こうしたニュースに関して、国内外からの声が寄せられました。まずは耳を傾けて下さい。
【参考URL】http://www.policymic.com/articles/75173/21-images-of-where-children-
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この写真集では、こんなにも多くの悲惨な子供達がいるんだって事初めて知った。(国籍不明)
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写真集のあまりの美しい感動的なタイトルに感動し、普段知る機会のない貴重な資料にとても感謝したわ。(ルーマニア)
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この写真集は息子達との今日の話題になるわ。一緒に考えて議論して行こうと思う。(アメリカ)
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5人に1人のアメリカ人の子供は貧困家庭に生まれるよ。
世界中で起きている格差社会の縮図だ。(オーストラリア)
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↑我々アメリカ人は発展国に住んでいながら、5人に1人は貧困層の子供達を抱えている国だって事も自覚しないとね。(アメリカ)
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↑世界で7番目に豊かなイギリスで、国内に目を向ければ6人に1人は貧困層の子供たちがいるって事知ってた?(イギリス)
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ナイジェリアは、世界で最も学校に行けない未就学の児童が多い国だよ。(国籍不明)
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貧しい暮らしをしている子供達に、自分で出来る限りのサポートをして行ってあげたい。そうした行為はお金には変えられないよ。(国籍不明)
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世界には、繁栄とは無縁な途上国に10億の貧しい子供達がいるわ。(アメリカ)
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政府が全く対策をしていないイエメンの子供達の教育環境は世界でも最も最悪といわれ、お粗末なんでもんじゃないよ。(アメリカ)
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世界の貧困に喘ぐ子供達を、ひとり残らず幸せにして将来を保障するなんて事不可能よ。(中東)
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どうやったら世界のあちこちにある貧困と真っ向から戦えるかな?
子供達に英語を教えに行ったほうが早いだろうか?(アメリカ)
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↑貧困を無くすには、問題を抱えている国に行って子供達の為に学校を建ててあげて教育を施すことだわ。(国籍不明)
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↑国が、女性と子供に焦点を当ててサポートをできるような優遇措置をとれば貧困を撲滅する近道になるのでは?(アメリカ)
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途上国のトップ・政治家から変革していかないとな。(国籍不明)
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戦争や内戦が更に貧困を生む。戦争のない世界にしないと。(アメリカ)
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我々発展国に住む人間の社会においても、それなりの格差社会で苦しんでいるよ。(国籍不明)
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格差社会の1番の犠牲者は子供達さ。(アメリカ)
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ひどい格差社会は、金を握るひと握りの独裁者からコントロールをされ続けるというリスクを負う。(国籍不明)
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これら写真で紹介されている子供たちのベッドルームの実態は、ほんのひと握りでその裏にもっともっと悲惨な子供達もいると思う。(アメリカ)
>貧困を無くすには、問題を抱えている国に行って子供達の為に学校を建ててあげて教育を施す
意味ないとは言わないけど…未だに箱作ればいいって奴多いな
子供は労働力なんだよ、働かざるもの食うべからずなんだよ
日本の子供の写真を見る限り、その国で一般的な子供達ではないのだろうけど、外で寝起きする子供達が世界のどこかにいるというのは悲しい。
本人のせいで貧しい家庭に生まれてきたわけでもないのに。
舞妓さんは親元を離れて見習い修業中なんでしょ(就職して自立してる)
このテーマに加えるのは変だわ
アイボリーコーストって書いちゃうのはどうなの
差別意識バリバリなんだけど
現在は英語でもRepublic of Côte d’Ivoireだし日本語ならコートジボワール
子供たちに学校なんて作っても無意味
親がマトモにならない限り子供も同じようになるだろう
子供の成長のほぼ全てが親の影響だ
本当に必要なのは「親向けの学校」だよ
学校というより洗脳レベルの教育が必要
一面を切り取っただけの写真を見て、日本は恵まれているとか、発展途上国が可哀想だとか思うこと自体、傲慢だし失礼だと思う
日本人には日本人の不幸があるよ
発展途上国には発展途上国の幸福があるだろうし
金物だけ与えても意味ないんだし
貧困層を救うなら
強制的に寮生活でいいんじゃね
国挙げて三世代まで強制的に道徳と教育と科学技術と労働と富国強兵で基礎土台固め
コメントから見て知れるのは「日本のごく田舎町の市立図書館の蔵書すげえ…」
日本では世界の情報はあまねく、誰にでも供給されてる。もちろんネット普及のずっと以前から。
写真のような現状をしらないって格差の方がおかしくね?日本ならこんな感想は小並感とされるわ。みんな12歳以下とかなん?写真の中のサバゲーだかハンティングだかに夢中なアメリカの子がいうのなら、いっそ不思議にも思わないわ。この写真集は子供新聞だといわれても納得。
素手で試合したらリュウタ、武器ありならジョーイ、実戦ならインディラが勝つね
中国・ブラジル。こういうところから移民に来て一生懸命働いてお金持ちになる。
気合いが違うってのはわかる。
ジェイミー君から漂うトップエリート臭に草不可避
確かにw
もう人を見下す目線まで備わっているwww
だからねー、無理なんだってば、すべての人が豊かに幸福に暮らすってのは。
地球上にはそんな資源もエネルギーも食糧生産量も無いんだよ。
計算上、地球上のすべての人々へ富を公平に分配したとすれば、それはすべての人々が電気もガスも無く、かろうじて食べて生きているだけの生活へもどることになるの。
すべての人が豊かに幸福に暮らす世界を成立させるなら、現在の地球の人の過半数は死ななきゃいけなくなる。今の三分の一以下の地球人口であれば、たぶん可能になるから。貧困は最小限の人しか死なせないための折衷案でもあるのね。
すべての人が豊かに幸福に暮らせる世界って理念は近代が生み出したものだけど、その時代にはそんな計算が成り立ってなかったため、これは現在ではこういう具合に完全に覆されてしまった目指しても不可能な理念なんよ。もっと早く、地球へ無際限に人間を増やすとまずいって気づいてたらまだなんとかなったろうけど、もう遅い。
なんとかしたいなら、こういう認識を踏まえた上で、誰か新しい世界モデルをつくんなはれ。
それができんかぎり、あー可哀想ねー、と偽善的に小さな優越感で脳みそから気持ちいい汁絞りだす恵まれた者のエンターティメントの一種にしかならん。
こんなステレオタイプな写真は今のネットでいろんな世界の事情を見れる人間たちにとってはなんのメッセージ性も持たないだろ
1990年初頭のセンスだわ
子供の教育より子供を作る親の教育も必要じゃない?
労働力として子供作る考え捨てさせたり避妊の必要性とか子供と同時進行でやんないと
つかそういう親が近くに学校ができたからって行かすと思う?
将来の親になるべき子どもを教育するんでしょ。さすがに大人を再教育するのは難しいと思う。だからこそ教育は義務化するほうがいい。
いまある物では※13が言うように無理なものは無理
格差をより大きくして富と教育を一極集中して新しい技術を開発し続ければ
いずれは理想的な世界ができるのかもしれない
数百年かかるかもしれないけど
低開発国の安い労働力が生み出す資源が無ければ先進国の工業も成り立たない
人口が100分の1でも全員が必要な資源を支えられない
仮に十分な資源が得られても結局破綻するまで人口が増え続ける