女性誌が決して特集として取り上げないような発展途上国に住んでみるとします。
永住予定でもない限りなるべく現地通貨を貯め込まず、日本円か米ドル、ユーロなどを蓄えるようになります。

というのも、あまり大量に現地通貨を所有してしまうと、その国を引き揚げる時に困ったことになるのです。

これは私自身の経験ですが、数年住んだエジプトを去る時に、何十万円分ものギニー(エジプト・ポンド)を現地の銀行に持って行きました。しかし全ての外貨への両替を却下されました。

「エジプトのお金はいらないんだ。役に立たないから」

とエジプトの銀行のエジプト人の行員にちっと舌うちをされました。
確か米ドル建て貯金とエジプトポンド貯金では利子率もまったく異なっていたという記憶もあります。

店によってはエジプトポンドでの買い物を嫌がられ、
「米ドルやドイツマルク、日本円で支払えるなら売ってやってもいい」
と言われたこともしばしば…

シリアに行った時は
「現金よりゴールドよ。紙幣は明日にもただの紙くずになりうるし、国を一歩でも出たらシリアの通貨はまったく使えないわ。でもゴールドはそうじゃない。」
とシリア人の女性たちはそういい、腕や胸元にじゃらじゃら18Kのゴールドをつけていました。

ウクライナに行った時は様々な場面で、現地の人々に
「米ドルに両替してくれないか」
とお願いをされました。

トルコではそのゼロの桁の多さに混乱してしまい、インドの土産屋では
「お前は日本円かドル、ユーロで払え。釣りはインドルピーでやる」
と当然のように命令されました。

さてところで、国連は法定通貨として180もの国家の通貨を、公式であり実用的な通貨であると認めています。
そんな法定通貨でない、あまり良しとされていない通貨とはどこの国のお金たちでしょう?

韓国ウォンはなぜ安いのか

【1米ドル=約1,101.49韓国ウォン】

世界中で売れまくっている大企業をいくつも抱える韓国の通貨が、なぜ安いままなのか…

答えは簡単。
彼らは意図的に韓国ウォンが値上がりしないように、金融政策を操っているからです。

つまり、輸出金額を安く抑えることで、日本製品を打ち負かし韓国製品が海外で売れるからなのです。

実際にサムスンの電化製品やヒュンダイの車は日本のメーカーの勢いを上回ろうとしています。

この韓国のやり方に日本が怒りを感じているのと同様、北米の労働組合も彼らの不公平な競争に激怒しています。北米でも市場シェアと仕事を韓国に奪われたからです。

しかし韓国の首都ソウルはhappening place。
ソウルは勢いとエネルギーにみなぎっています。

地球上で一番ハードな仕事はイラクの観光大臣!?

【1米ドル = 約1,154.44イラク・ディナール】

この地球上で一番タフな仕事は何か?

弱いNFLチームで知られるニューヨークジェッツのコーチ?
お騒がせセレブのジャスティン・ビーバーの付き人?

いいえ、答えはイラクの観光大臣の仕事です。

2014年の夏に、国務省がアメリカ国民に対しイラクへの渡航勧告の注意レベルを引き上げました。
イラクの国におけるアメリカ人の誘拐やテロ暴力を受ける可能性は依然として高いままです。

イラクの国が位置する土地にはエデンの神話の園があったとされています。
チグリス・ユーフラテス川の近くにはビールを栽培する畑もありました。
この国のすぐそばにはバビロンの空中庭園もありました。

歴史が長く遺跡とロマンに満ち溢れた魅惑的な地域なのです。
また石油産業も相変わらず栄えており、この国の輸出の99％が石油関連です。

とはいうもののすっかり独裁国家、戦争、暴力、テロリストの国というイメージが定着してしまいました。

石油の原油価格も急落し、宗派間では暴力沙汰の紛争が起きており、国の安全とイラクのお金のディナールは仲良くマイナス方面に突進するばかりです。

こんな状態でも、イラクの観光大臣になって

「楽しい休暇旅行をお約束します!イラクへお越しになってください!ウエルカム!」

とにっこりほほ笑むことができるのでしょうか。
こんなナンセンスで皮肉いっぱいでタフな仕事は他にはないのではないでしょうか。

古代ロマンとサファリの魅力いっぱいのタンザニアだが…

【1米ドル = 1,728.85タンザニア・シリング】

タンザニアはこの地球上で最も魅力的な国の一つです。

古代の時代の遺跡や大自然に動物たち…

さらに最近この国で巨大なガスが埋蔵されていることも発見されています。
しかしそれを発掘する作業がいまだに動き始めていません。

国民一人あたりの平均年収は560米ドル。

各国の人々の生活の質や発展度合いを示す指標である人間開発指数（Human Development Index, HDI）によると、タンザニアは182か国中152位。

ビジネス環境ランキングでは192か国中134位。
国の行政能力ランキングでは212か国中135位。

政府は2025年までに国民の平均年収をこれまでの二倍の1120米ドルに引き上げることを目標にしています。

それを達成するまではタンザニアサファリの動物たちもタンザニア・シリングより米ドルのチップを欲しがるかも…

貨幣価値もメルトダウン続行中のベラルーシ

【1米ドル = 10,998.68ベラルーシ・ルーブル】

3年前にロシアのルーブルはその価値の65％を失いました。
厳しい経済制裁と石油原価下落のためです。

ベラルーシはまだ旧ソ連の支配下にはいっているようなもの。
その上チェルノブイリの放射能性物質降下による様々な影響からまだ完全に脱し切れていません。

島数は無数?それでも貨幣価値は冴えない…インドネシア

【11.05米ドル＝100,000インドネシア・ルピア】

インドネシアは群島国家です。
しかし実際に島がいくつあるのか、正確に答えられる人間はそういません。

それでいいのです、一向に構いません。
ジャワ島とバリ島だけ知っていればいいのです。
なぜならどうせ仕事があるのはこの二つの島だけなのですから。

インドネシア・ルピアが価値がない通貨というのは一体なぜなのでしょう。

ある辛口経済誌はそれについて「酷いインフラと官僚の横行腐敗問題」が原因であるとしています。

そして国内における天然ガスが供給不足となっており、現代のインフラストラクチャを構築するための残りを十分蓄えていないのです。

それを公に口にして批判しようものなら、その政治家立候補者は選挙中に「自殺」するという事態になると言われています。

インドネシア国内の地域によっては、あまりの凄まじい貧困ぶりにあなたの心は折れそうになるかもしれません。

逆に、バリ島ではヒーリング効果を得られることでしょう。
何よりルピアの安さにあなたは最大の安らぎを覚えることでしょう。

イランは天然資源には恵まれているが…

【5.35米ドル＝50,000イラン・リヤル】

最も価値のない貨幣の国ヘビー級チャンピオンはイランのリヤルです。

イランはホメニィの革命やイラクとの戦争の打撃から大きく回復しています。
しかしそれでも頑固に核計画にしがみついているおかげで、国際制裁を受けています。

イランはそのためバレル単位あたり140米ドルの価格を望んでいます。
しかし実際は1バレルあたり60米ドルほどで、今後も決して価格は上がっていかないであろうと予想されています。

イラン・リヤルの通貨は平和目的のみにしか利用されない、と主張されている核遠心機分離機に吸い込まれ、核のせいでその通貨の価値は下落する一方です。

とはいうものの、案外と観光客は増える可能性は秘めています。

なぜならば世界的に有名な旅行ガイドブックの「ロンリー・プラネット」が
「もっとも手ごたえとやり応えを感じる旅行をしたいならば、イランがこの地球上で最適かもしれない」
と述べているからです。

ただしテヘランにある悪名高きエヴィン刑務所には滞在しないようにしましょう。
拷問の苦しみで悪夢を見ることになりますから…

各国の通貨の価値を一言で表すのは難しい

こういった国々の貨幣価値の切り下げが起きている原因はなぜでしょうか。
言い方を変えればどうしてこういった国々の貨幣価値は極端に低くなっているのでしょうか。

答えはまちまちですが、その国が国民を無視した略奪貿易政策の結果によるもの、戦争が世紀的大参事によって引き起こされていることもしばしあります。

そして貨幣価値が安いことを逆手にとって観光誘致に精を出すこともよくあります。

「我が国に来てください、物価は安いですよ、自然は素晴らしいですよ!」…と。

実際にその結果、多くの外国人観光客誘致に成功した国々もあり、貨幣価値を認められていなくても多くの外国のお金の収益を得ている場合もあります。

言えるのは確かに米ドルやユーロ、日本円などはグローバルな視点からみれば貨幣価値が高いです。

しかしアメリカやヨーロッパ、日本に果たしてトロピカルなジャングルはあるでしょうか。
ハンモッグに寝そべってまったり読書をし、5つ星ホテルに泊まり最高のマッサージを受けて極上の食事をいただくという休暇を庶民が味わえるでしょうか。

国の政治情勢や自然災害等により大国の貨幣価値も突然変わってしまう可能性もあります。日本ももし何か大事が起これば日本円も紙くず同然に突然なってしまう可能性もないとはいいきれません。

逆にこのリストに載ったベラルーシやタンザニアに大きな天然ガスが発掘され、劇的に政治が変われば突然貨幣価値もガラリと変わるかもしれません。

つまり貨幣価値とは非常に危うくはかなげなものなのかもしれません。

「●●国の通貨はゴミみたいなものだ」
「▲▲国のお金で貯金しておいたほうがいい」

というように簡単には断言できないものです。
ネット上では各国の人々が様々なコメントを寄せています。

【参考URL】http://www.therichest.com/rich-list/poorest-list/the-worlds-15-most-worthless-currencies/?view=all
http://www.telegraph.co.uk/finance/personalfinance/9672926/The-worlds-least-valuable-currencies.html
http://alvin.foo.my/2008/04/world-most-worthless-currency.html
http://www.reddit.com/r/AskSocialScience/comments/2b8o3k/what_is_the_most_worthless_denomination_of/
http://www.tsiri.com/worthless-currencies-world-2014/
http://dondwest.hubpages.com/hub/Worthless-Fiat-Currency
http://www.jamiiforums.com/jukwaa-la-siasa/774224-tanzanian-shilling-ranked-13th-most-worthless-currency-in-the-world.html
http://skeptoid.com/blog/2014/02/10/the-ugly-truth-about-the-iraqi-dinar/
http://mjperry.blogspot.jp/2008/04/worlds-most-worthless-currencies.html

PR【お金の学校】では、アフィリエイトプログラムを利用し、アコム社から委託を受け広告収益を得て運営しています。