日本の景気が悪くなり、各地方自治体の予算が削られて、何処もかしこも苦しい状況が強いられています。
そんな時に恰好の餌食になるのが、一生安泰に生活する事ができる仕事につく、公務員。
よっぽどの事が無い限り起きない解雇と、年々順調に上がって行く給料。おまけに企業ではありませんので、サービス残業もありません。(企業並みにある所も存在しますが)
私は公務員ではないので実態はどうだか分かりませんが、世の中で言われている公務員の長所といったらこういった所でしょうか。
うちの母親も公務員、学校の先生でした。田舎で生まれ、両親共働き。父親の経営する飲食店が過疎化でどんどん経営が苦しくなっていっても、母親が教員だったお陰でひもじい想いをする事はありませんでした。
今思えばわが一家はここまでやって来られたのかなと思います。まあ母親の仕事を見ていると、とてもじゃないけど楽とは言えない仕事量でしたが。
それでもやはり、安泰という理由で公務員を目指す人は少なくないでしょう。高校、大学といろんな人がそういった理由で公務員試験を受ける人が多かったです。
基本的に日本の国家公務員は、システムに基づき区分と年齢によって給料が一律で決められていますが、他の国ではどうでしょうか?
いま私が住んでいるドイツで、国家公務員の給料について取り上げているニュースがありました。
というのもドイツは連邦制の国。よって州によって国家公務員の給料に差があり、それがちょっとした問題になっているそうです。今回はこちらのニュースを紹介したいと思います。
どこの国でも魅力的な国家公務員・・・しかしドイツでは?
将来の事を考えると魅力的な国家公務員。しかしドイツでは、どこの州でも等しい魅力があるという訳ではありません。
南ドイツの新聞Süddeutschen Zeitungの報告によると、ドイツ全体で、同じ職業なのにも関わらず120万ユーロの給料の格差が存在し、年々その格差は大きくなっているといいます。
それはドイツの16州のうち、教師から警察官、裁判官までと、国家公務員の様々な職業で起きていると、ドイツの労働組合の報告書で明らかになりました。
転機はいつも突然やってきて・・・
公務員は労働協定によって給料が支払われていません。2006年にドイツの各州は、給料の決算を業務に応じて支払うべきかどうかを決める権利を国から引き継ぐ事になりました。
さらに加えて、遡る事2002年には、特別手当やクリスマスや長期休暇での給料を全て支払うべきか、それとも短縮すべきかも州ごとに定めて良い事が決められました。
それによってドイツの全ての州では合法的に、財政を調整する為に公務員の給料を操作する事が可能になったのです。
実際どの位の格差があるのだろう?
Polizeihauptmeister(警察上級マイスター)の給料を参考にしてみましょう。
バーデン=ヴュルテンベルク州では年間38,700ユーロが支払われているのに対して、ブランデンブルク州では36,000ユーロ。2,700ユーロ、日本円で約4~50万円くらいの開きがあります。
もっと深刻な格差は、ギムナジウム(ドイツの高校にあたる学校)の教員で、バイエルン州では年間60,000ユーロ以上が貰えるのに対して、ベルリンでは54,600ユーロにも満たない給料が支給されます。その差は約70万円以上あります。
労働組合の代理の議長は、「同じ労働に対して等しい給料を!という指導原理を再び国に導入されるべきである。支払われる給料は、仕事の質や量、地域に依存されて決められてはいけない。大きすぎる格差は大きな危険を招くきっかけになる。」と説明していました。
日本にも地方公務員は、地域によって給料の差があるからそれくらいの規模で差があるんだろうなと想像したら、「こんなに大きな差があるの!?」と予想していた額より大きく離れていて驚きました。
州ごとに生活費の平均支出が大きく異なる国でもありますから多少は仕方ないことかもしれませんが、こんなに変わるものなんですね・・・。
ではこのニュースに海外の人達はどんな反応を示したのでしょうか?記事に寄せられたコメントを元に、いくつか抜粋して紹介したいと思います。
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な、なんてナンセンスなんだ!
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まあこの結果を見たとき、州によっての生活費などをきちんと参照しなければいけないよね。
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まあそんなに不快ではないかな。
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↑ 普通のサラリーマンでさえ州を超えると賃金は結構違うしね。
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更なる問題として年金の大きな格差がある。
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いやいや これは愚かな格差でしょ。
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ミュンヘンに住む公務員は1200ユーロの家賃を払う。でもチューリンゲンに住む公務員は150ユーロの家賃で済む。これをどう考える?
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↑ ミュンヘンの家賃の高さは異常。
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給料だけじゃない。生活費が非常に異なる。だから職員の給料がこうやって取り上げられているのは、興味を集める為だけだよ。
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州毎に情勢が違うので、これは当然の事の様に思えるが。
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じゃあなぜ公務員は給料が高い地域に引っ越さない?または通勤しない?
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対等な仕事に対する対等な賃金。
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我が国の連邦制の政治は、他の連邦制の国に比べてやや未発達だったのかも知れない。
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泣き言は止めにしな!民間じゃこれくらいの差は当たり前さ!
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いやいや、これは普通の話でしょ!
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これは誰が怒るべき問題なの?高い家賃を払っているミュンヘンの公務員に、高い給料について怒るのかい?
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給料に対する購買力が等しい。これが重要なポイント。
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不公平さを感じてしまうが・・・。
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完全に生活費の支出を無視した内容になってますねー。
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基本給にさらなる手当を提案したい。
地域差を考慮しよう
最初は金額の差に驚いてしまいましたが、さらに驚いたのは家賃の差です。
コメントに最も高い地域のミュンヘンと安い地域の比較がありましたが、(極端な例である可能性も加味して)こんな開きがあるのであれば、給料差も至極真っ当な結果かもしれないなあと思いました。
でも生活費が極端に違う地域同士の生活費を焦点に話し合ったとしても、意味はありません。家賃差がそこまで無い地域で、3、40万円以上の給料の差があるのはやっぱり不公平な気もします。
正直調整が難しいような気がしますが、給料は一定にして、家賃手当などでカバーする等なんとか差を縮めてあげる事ができたらなあと思います。
【参考URL】http://www.spiegel.de/wirtschaft/soziales/gehaelter-beamte-grosse-unterschiede-je-nach-bundesland-a-1029058.html
ま~たしかに給料の額に差があると少ない方はおこだよな。70万か・・・。家賃とか生活費うんぬんのこと言ったら公務員以外だって格差あるのが普通だからな~。
日本でも公務員の給与は地域差がありますよ?都道府県、市区町村で随分と違いが出てくるのです。
日本の場合は住居手当で家賃の格差を充当しますが、給料の地域差はその地域の平均収入とその地域の財政状況に依ります。基本的に大企業が多い地域は公務員も高給取りになります。
橋下知事の政策で減給されたり、夕張市は財政破綻でやっぱり減給されたり、東日本大震災で少しだけ良い条件で募集を掛けたり、色々やってますね。
日本の田舎に行けば公務員って貴族みたいなもんだしね。
世襲かよと思うような状態になってるし。
国家公務員は民間に労働基準法を守らせる側の立場なので労働基準法で許されている労働時間を越える残業はできません。
与党野党の政治家の要請で資料作成のために何日も徹夜したり、大雨などの警報が出て24時間体制で危険地域を見回ったりしても国家公務員は誰一人として労働基準法に抵触するような長時間労働はしていないことになっています。
連邦国家としては普通だと思うけどなぁ。
日本の場合、人事院がバランスとってて国家公務員の給与を参考に各地方自治体が給与を決めていくんだよ。だから地方だと公務員はただの高給取りになるから大体嫌われてる。
ちなみに教員は様々な事情で一般の公務員より給与は高めになっている。
ドイツは中央集権国家ではないからその程度の格差は許容範囲のような…
ドイツは連邦国だから、アメリカと同じで州ごとに一つの国家だから。
アメリカは州ごとに軍隊もあり最高裁判所(司法)もある。
北海道の夕張市なんてギリシャと同じ。
夕張市は公務員が多く優遇されていた結果、結局は破綻しました。
物価の違いも考慮に入れるべきではある
家賃の高い東京勤務と地方勤務の給与が一緒だったら東京勤務の人はやってられんわ
逆にやっていけるなら地方勤務の人の給与が高すぎることになる
マクドナルドでさえ地域で値段の差を付けてるからな
ちなみに公務員の平均退職金って2500万円くらいだからね。
これは都市部でも地方でも変わらない。
中小企業勤めがほとんどの日本においては正に特権階級だよ。
世帯年収300万円以下が40%を超えてる日本においてはね。
日本だって教師や警官は地方公務員がほとんどで地域によって格差はある。この点、ドイツとほとんど変わらないはずだが、この記事は何を言いたいのか。